ペルシャ絨毯の選び方と相場

畳の文化がすっかり衰退しつつある日本ですが、洋風の床にはやっぱり何か敷きたくなるものですよね。

そこで頭をよぎるのが絨毯ですが、一口に絨毯と言ってもピンからキリまでいろいろある訳です。

そしてピンの代表選手と言えば、やはりここはペルシャ絨毯ということになるのではないでしょうか。

「じゃあ、早速購入しようじゃないの」とお考えの人は、ちょっと待ってください。

先ずはペルシャ絨毯の何たるかを事前に理解し、ある程度の知識を仕入れてから購入することをおススメします。

なぜなら、何も知らないで買ってしまった後から、「実はペルシャ絨毯じゃなかった」などということが起こらないとも限らないからです。

まず最初に頭に入れておきたいのが、本物のペルシャ絨毯というのは、イラン国内で製作された手織りの物というのが定義だということです。

ですからいくら模様が酷似していても、機会で織られた物はペルシャ絨毯の定義から外れている訳ですね。

それからもちろん、ペルシャ風とかいう枕詞が付いている絨毯も全く別の物ですから、本物を購入したいのなら避けたいところです。

では、納得が行くお気に入りの1枚を手に入れるには、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか。

選択の際にまずメインとなるのがデザインと大きさですが、基本的に産地によって特徴が異なるということを覚えておくと良いでしょう。

産地にはナイン、イスファハン、タブリスといったところが有名です。

そして、重要な選択ポイントはどちらかというと絨毯の表ではなく裏であるということをご存知でしょうか。

ひっくり返して裏を見ると、ノッドと呼ばれる結び目を目にすることが出来ます。

そのノッドの細かさによってある程度の絨毯の価値というのを測ることが可能でしょう。

そして機械で織られている場合は、網目が完全に揃っているのですぐにわかるはずです。

絨毯の素材には、ウ-ルやシルク、コットンといった物があります。

中でもシルクは高級感が満載ですが、飾りではなく日常的に使用するのならば、おススメはウ-ルの絨毯です。

きっちりと目の詰まったウ-ルの絨毯は、掃除をしても足でいくら踏んでも全くビクともしないからです。

それどころか踏めば踏む程良い味を出してくれます。

価格というところにも注意を払ってください。

本物は手で織られていますが、その仕事をするのは主に女性や子供たちです。

細かい仕事であるうえに、時間も掛かるためきつい作業であることは想像に難くありません。

それなのに、対価が安ければそんな厳しい仕事を喜んで引き受ける人がどんどん減るのは当然のことですよね。

なので、現在ではほとんどの絨毯が手織りではなく機械の力を借りていると言っても差支えないでしょう。

また、絨毯のカラ-についても本来の物は、植物等から採取した自然の素材で色付けを行っていますが、現在製作されている絨毯はほとんどが化学製品を使用しています。

こういった事実を踏まえると、本当に良い物を手に入れたいという人の狙い目は、ズバリ「オ-ルド」の物ではないでしょうか。

数十年前のオ-ルドの絨毯ならば、手織りで色付けも天然の物である確率が高いはずです。

天然色使用の絨毯の特徴は染めにムラがあるところです。

でも、さすがにそのレベルとなると大きさにもよりますが、数万円で購入するというのは困難になります。

まあ、製作過程を考えたら当然と言えば当然ですが、大体の相場として素材や大きさにもよりますが、数十万円はすると思ってください。

中には軽く100万円以上するものもあります。

けれども本物のペルシャ絨毯は、代々子供や孫に受け継がれ財産価値として考えることが出来るので、興味のある人はオ-ルドの掘り出し物を探してみてはいかがでしょうか。